これまで長く、日本の美術に携わってきました。
そこから感じたことは、日本文化に特有の美の観念は、“艶(つや)”だということ。
「艶」とは、けっしてなまめかしいことを指すのではなく、歳を重ねるごとに、馴染み、こなれ、磨きぬかれた輝きを放つことです。
建物で言えば、黒光りした木の廊下や手すり。物で言えば、時とともに育っていく漆(うるし)や、使うほど景色が変わってゆく焼き物などがあります。
からだで言えば「艶」は声や肌にあらわれ、魅力的なものです。
どうやら、愛おしく触れ、大切に手入れした結果として、自然に生まれ出でるものが、「艶」なのです。そしてそれは、積み重なった歳月の、奥深い底のほうから、“今”という表面に向かって差し込んできた光のようなのです。
それなら、人生に出る「艶」があるとしたら、何でしょうか。
わたしの考えでは、何歳であろうと好奇心をもって日々を楽しみ、どんなことにも機知とユーモアで応じる姿ではないかと思います。機知とユーモアは、特に日本の芸事に親しむことで、強く支えられると感じます。
「和の艶」講座では、さまざまな種類の日本の芸術を、斬新で面白い切り口から鑑賞し、文化の真髄を味わっていきます。
あなたのからだにもこころにも、生涯にわたって増していく「艶」をお届けしたいと願っています。
にっぽんの美の艶研究家 真武 裕子
カフェでお茶をいただきながら、浮世絵の図録や画集を見て、みんなでワイワイと話します。
日本文化を愛するひとたちが集まる場の交流で、ツウな会話の世界も覗き見ることができ、気軽に楽しく過ごしながらも、実践的に知識を深めることができます。
日本の文化を詳しく知っている人はどうやって楽しむのだろうと思っている方や、講座で習ったことのほかの例を知りたいという方はぜひお越しください。
真武 裕子 プロフィール
高校生の時に展覧会で心が救われた体験から美術の道へ。出光美術館勤務、NHK文化センター講師を経て、独立。浮世絵カフェ、日本絵画の美術館ツアーを開催。
同時並行で、子育て中に出会って体型が激変したウォーキングも講師になり、生徒数は延べ2000人。その後、生まれ持った身体を生かす”和の立ち居振る舞い”オリジナルレッスンへ移行。2023年には狂言から生まれた健康法「和儀」の認定講師となる。2024年皆伝。
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・元NHK文化センター講師
コスタリカ国費留学生向け浮世絵講座、日本文化絵画セミナー開催
・日本絵画に特化した美術館ツアー開催 11 年目
・ウォーキング講師歴10年、生徒数延べ2000人
・和の立ち居振る舞い講師(3年)
・和儀認定講師(2023年) 皆伝1号(2024 年)